‘’病は気から‘’と言いますが、『気』とは何でしょうか。
『気』とは、生命エネルギーや心身を正常に保つ機能の事です。
『気』には、身体を温め体温を保つ働きや、血液循環や新陳代謝を促進する働き、外部からの邪気の侵入を防ぐ免疫機能などがありますが、これらが低下した状態を『気虚』といいます。
いくら寝ても疲れが抜けない、すぐに風邪をひいてしまう、低体温で寒がり、などでお悩みの方は『気虚』の状態の可能性が高いため、漢方で『気を補う』ことで改善が期待できます。
また、現代社会で常にストレスにさらされていると『気』の巡りが悪くなる『気滞』という状態に陥り、イライラしたり、不眠や不安などの自律神経症状が現れてきます。この場合は、『気の流れを整える』漢方を使用することで症状の改善を図ります。
何かとストレスが溜まりますし、暑さで消耗しやすい時期ですが、漢方で身体の根本である『気』から『体質強化』をして、辛い時期を元気に乗り越えましょう。
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根本改善で疲れ以外の症状も!? (30代女性)
「疲れて動けない、何とかしたい」と疲労や倦怠感を訴えるお客様。
通常、疲れはエネルギー不足である『気虚』と考え、補気剤と呼ばれる処方を使用するが、よくよくお話を伺うと、精神的ストレスが多く、イライラや過食による体重増加、頻尿などの症状にも悩まされていた。
そこで、この方の疲れは『気虚』ではなく『気滞』からくるもの、つまり過緊張のような状態と判断し、気血の流れを整えストレス対策にもなる漢方薬を服用していただくことにした。
2週間後、「倦怠感だけではなく、頻尿が改善した」と喜びのご報告をくださった。
頻尿は主訴ではなかったが、実は長年悩んでいて何をしても改善が見られないため半ばあきらめていたとのこと。その症状が倦怠感とともに解消したことにとても驚いていらっしゃった。
頻尿も上述の過緊張のような状態からくる症状であったと思われる。
一見無関係の症状も、『根っこは同じだった』というのはよくあることで、表面的な症状に振り回されず、根本改善できるのが漢方の最大の利点と言える。
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